<活動量や健康状態に合わせた食生活を>
高齢期
【体の変化】
個人差が広がる年代 機能低下とともに味覚や嗅覚も変化
高齢になると、吸収した栄養素を処理したり、利用したりする生理機能が低下してきます。各組織の重量が減ることによって体重が減ったり、歯が抜けて咀嚼(そしゃく)が困難になったり・・・・・。そのため、食事への関心がおとろえ、食欲がなくなる場合もあります。
また、味覚や嗅覚の機能も変化し、何を食べても「酸っぱい」「苦い」と感じる人も。
活動量や健康状態に個人差があらわれる年代の為、その人に合った食事を考える事が大切です。
【食事のポイント】
栄養不足にならないため少量で良質の食事を
エネルギー消費量が減少し、さまざまな機能がおとろえてくる高齢期は、その人の運動量や健康状態、好みなどに合わせ、糖質や脂質の量を調整します。
脂質は総エネルギーの25%以内が適量。食の好みがかわり、肉類などの摂取量が減るため、タンパク質不足になりがちです。魚介類、肉類、大豆、鶏卵、牛乳などから、良質のタンパク質を十分とること。
食事の際は、不足しやすい良質のタンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維の多いものを優先し、おかずから食べるようにしましょう。
また、乳製品や小魚などをあまり食べなくなるので、カルシウム不足も心配。間食にヨーグルトをとるなどして、一日の必要量600mgをキープしたいものです。
消化機能が低下すると、食欲がなくなる人も増えてきます。その場合は、食事時間を決める、彩りや季節感を生かす、香辛料を使うなどの工夫をすると胃液の分泌がうながされ、食欲がでてきます。
歯が不自由な場合は、みじん切りにする、食材に切れ目を入れるなど、調理法を考えて。このほか、散歩などでからだを動かすなど、空腹感を感じることも大切です。
■主食
食べる時はおかずから食べ、不足しやすいタンパク質やビタミン、食物繊維の多いものを優先。
■副菜
こまつな、にんじん、しゅんぎく、ほうれんそうなど抗酸化作用のある食品は毎食とりいれて。
■主菜
筋肉をつくるタンパク質が不足しないように豆腐や魚を中心に、十分とりましょう。
■果物
すいかやかきに含まれるリコピンには、抗酸化作用があります。意識してとるように。
■牛乳・乳製品
動物性タンパク質を多く含み、カルシウム吸収率も高い為、毎日飲む習慣をつけたいもの。
■菓子・嗜好飲料
おやつは煎茶、番茶とともにナッツ類がおすすめ。かたい食材を良く噛んで食べると老化予防に。
【おすすめ食材!】
●小魚
カルシウムが多く、しっかり噛めば唾液の分泌が活発になります。
●トマト
胃液の分泌をうながし、消化を助けます。水分が多いこともメリット。
●たまねぎ
生活習慣病、認知症を防ぐ効果が。どんどん食卓にとりいれて。
●ごま
セサミノールは老化を防ぐほか、抜け毛や白髪、忘れ物の予防にも。