<母子の健康を維持する食生活を意識>
妊娠・授乳期

【体の変化】
妊娠中エネルギー摂取量50〜500kcalも増加

妊娠中は体重が8〜10kg前後増えると言われています。
半分は母体側の増加(血液、水分、脂肪)で、残りが胎児と付属物(胎盤、羊水)。
母体のエネルギー摂取量は、約20%付加されます。一般に、妊娠初期は50kcal、中期は250kcal、後期は500kcalほど一日の摂取量にプラス。体重が増えすぎると、妊娠中毒症や妊娠糖尿病のリスクが高まるため、注意が必要。また、妊娠初期にはつわりで体重が減ることも。
産後、体の機能は約2ヶ月で元の状態に戻ります。

【食事のポイント】
栄養バランスを考え良質なタンパク質ミネラルを十分に

妊娠中の母体の栄養状態は、赤ちゃんに大きく影響するもの。
まず、不足しやすいカルシウムと鉄は意識的にとりましょう。カルシウムは骨の形成に不可欠、鉄は血液循環に促進。
レバー、こまつな、あさり、ひじき、乳製品、大豆製品などを、できるだけ毎食とりいれます。塩分は一日に8g未満に抑え、酢やレモン、香辛料を活用して、薄味でもおいしく食べられる調理法を心がけましょう。吸収の悪い野菜類の鉄は、動物性タンパク質やビタミンCと一緒にとると吸収力がアップします。便秘予防のために、食物繊維もしっかりと。
胎児の成長、母体の循環血液の増量などには、タンパク質も不可欠です。
また、抵抗力をつけるビタミン類も、バランスよくとるように。ただし妊娠初期にビタミンAをとりすぎると、胎児奇形のリスクが高まるもと。要注意です。
産後は、体力回復のために良質のタンパク質、ビタミン、ミネラル類をきちんととること。
授乳期は1日あたり450kcalをプラスします。母乳の出をよくするには糖質をとり、水分もたっぷりと。増えた体重を戻す時は、高タンパク低カロリーが基本です。

■主食
 妊娠中はエネルギー所要量が増えますが、ついつい食べ過ぎてしまいがち。気をつけましょう。
■副菜
 野菜やきのこを使い、料理のボリュームを出しましょう。鶏卵は1日1個が目安。豆腐も活用して。
■主菜
 肉類よりもカロリーが少ないけれど、必要なタンパク質は十分に摂取できる魚介類を選んで。
■果物
 鉄の吸収力を高めるビタミンCが豊富なみかんやいちごなどを、通常の倍量ほど食べるのがベスト。
■牛乳・乳製品
 妊娠中は、通常に1.5倍ものカルシウムが必要。スープやミルク煮などの料理でとるように。

【おすすめ食材!】
●木綿豆腐
 カルシウムが多く、高タンパク低カロリー。産後の体力回復にも。
●ゆでそば
 食物繊維が豊富。便秘になりがちな妊娠中は、積極的にとりいれて。
●レバー
 一日に必要な鉄分は約10mg。レバー60gには7.8mgの鉄分が。
●アボガド
 栄養かが高く、タンパク質に加えてビタミンやミネラルも豊富。